2011年12月07日

パワーリザーブは機械式時計特有の仕組み

機械式時計のスペックの説明の中に「パワーリザーブ40時間」といった一文を目にすることが多いだろう。「主ゼンマイを完全に巻き上げた状態で放置すると、40時間は動き続けます」という意味である。つまり、この時計の主ゼンマイは、時計を連続して40時間動かし続けるだけのパワーを蓄えることができるのである。もちろん、伝統的な機械式特有のものである。クォーツ時計では「パワーリザーブ」とは言わない。持続年数がたんに電池寿命として示されるだけだ。

基本のキに戻るが、機械式時計は主ゼンマイの力で動く。ここで「主ゼンマイ」と呼ぶのは、もう一つのゼンマイ、すなわちテンプに付随する「ひげゼンマイ」と区別するためで、英語でもメイン・スプリングと呼ぶ。この主ゼンマイはリューズを回したり、自動巻きの場合はローターの回転によって巻き上げられる。いったん巻き上げられた主ゼンマイは、こんどは解けて元の状態に戻ろうとする。この時に発生するエネルギーが歯車を回す原動力になる。パワーリザーブが40時間なら、40時間経過すると主ゼンマイが解け切ってエネルギーがゼロに近づき、時計が停止する。これがパワーリザーブの原理である。



Posted by Romega at 18:29│Comments(0)
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